2012年02月23日
帰る雁江東版の記者とあり
久米三汀(1891~1951)
帰る雁が春の季語。帰雁(きがん)、雁の別れ、名残の雁、いまわの雁、行く雁なども同意の季語です。
雁は10月上旬にシベリア東部やカムチャッカ半島から来て、春分の頃には帰るといわれています。今日では、まがん、ひしくい、さかつらがんなどが主なものです。湿地や池、沼、海上などで暮らし、水上で眠ります。暖かくなり鳥曇の日に帰って行きます。列をなしてゆきますが、行き先を思うと何か哀れを誘いますね。また、その鳴き声が空から聞こえていっそう哀れさが増してきます。
この句の作者は小説家の久米正雄。小説家らしい句ですね。東京江東区を中心に活躍する新聞記者と一緒に雁が列を成して北へ帰る様子を見ています。読者の眼前には江東区の広々とした風景が浮んできます。
作者くめ・さんていの紹介は、2006年2月12日を参照。
(出典:「日本大歳時記」講談社、1982年刊)
・ケイタイの普及率が100%を超えたと言う報道が2月22日にありました。1人1台ではなく1人で2台以上持っている人が増えたと言うこと。何に使っているのでしょうか。遊んでいるのなら本を読みなさい、と言いたいですね。
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2012年02月22日
春光のステンドグラス天使舞ふ
森田 峠
春光(しゅんこう)が春の季語。春色、春の匂、春景色、春の色、春の光、春望なども同意の季語です。
春の風光、景色のことを言いますが、春の陽の光のそそぐ様子を意識しています。中国の詩人、杜甫の「国破れて山河在り、城春にして草木深し」という春を望む詩に様々な思いが込められていますね。
この句は、教会の祭壇の上のステンドグラスに春の光が差し込んでいる様子をとらえています。そこにはまるで天使が舞っているように見えます。それはひときわ鮮やかに教会の中を彩っています。
同じ作者に次の句があります。
春光やさざ波のごと茶畑あり
春の光の中でさざ波のように茶畑が広がっています。実景が詩になっています。
作者もりた・とうげの紹介は、2006年1月19日を参照。
(出典:石 寒太編「よくわかる俳句歳時記」ナツメ社、2010年刊)
・尊敬する小学校の先生が説いたアリストテレスの「中庸の精神」をふっと思い出しました。混迷の現代を生き抜く術を教えてくれます。
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2012年02月21日
人形の春服人の前に立つ
阿波野青畝(1899~1992)
春服(しゅんぷく)が春の季語。春の服、春装も同意の季語です。
今年は例年になく寒くて早く本当に暖かくなって欲しいという意味を込めて取り上げました。
春の着物、スプリング・コート、スプリング・ウェア、春帽子などが揚げられます。春になって軽やかな明るい服装のことを言います。暖かくなったことから身につけるもので喜ばしく表されるものです。
この句は、人間ではなく、人形が春の服を着ていることから、きっとデパートでマネキンに着せているのでしょう。見るだけで春らしくなりますね。作者は関西の人。
作者あわの・せいほの紹介は、2005年4月21日を参照。
(出典:角川春樹編「合本現代俳句歳時記」、2004年刊)
・元少年に死刑確定、光市の母子殺害事件。2004年に犯罪被害者等基本法が制定されました。どうぞ遺族は心安らかに。
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