2012年02月20日

ありありと別の世があり落椿

青柳志解樹

落椿が春の季語。椿、紅椿、白椿、藪椿、玉椿なども同意の季語です。
横須賀市西公園には、野球場の周りに見事な椿の生垣があります。
椿は、古くから海岸沿いや林に自生していて、冬から春にかけて花をつけ、名前のとおり木に春です。また長寿を保つ木とも言われています。室町から江戸時代には盛んに栽培されてその種類は600種にのぼったと言います。特徴は、花の姿のまま落ちるところにあります。
この句の椿の落ちる場所は、静謐にして心の静まる場所と言う、確かにこの世とは別の趣のあるところという印象を受けます。
作者あおやぎ・しげきの紹介は、2005年10月12日を参照。
(出典:佐川広治著「季語の花・春」TBSブリタニカ、2001年刊)
・BSテレビで巨人×阪神のオープン戦を見ました。みんな小さくまとまってはいますが、迫力が無いですね。活きの良い新人の少ないのが印象的でした。

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2012年02月19日

ひなどりの羽根ととのはぬ余寒かな

室生犀星(1889~1962)

余寒(よかん)が春の季語。残る寒さ同意の季語です。
立春以後のなお残っている寒さのことです。今年は強烈に寒さが残っていますね。余寒は、「春寒し」「冴え返る」と違い、寒が終っても寒さが残っていることを言い、寒さに重点が置かれています。余寒の語は、中国の杜甫の漢詩から来たものです。余寒の厳しさや緩やかさから桜の咲く時期が大きく変わります。
この句は、寒さの影響で、雛鳥が生れてまだ羽根の整わぬ情況を詠っています。天気図とにらめっこの毎日ですね。
今日は雨水。24節気のひとつ。雪が雨に変わり、雪や氷がとけて水になると言う意味から雨水と呼ばれるようになりました。
作者むろう・さいせいの紹介は、2005年6月20日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・イチローもマリナーズのキャンプに参加。今年はやってくれそうです。

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2012年02月18日

恋猫の身も世もあらず啼きにけり

安住 敦(1907~88)

恋猫が春の季語。恋の猫、猫の妻恋、うかれ猫、猫さかる、猫のさかりなども同意の季語です。
猫がうるさくなりましたね。猫の交尾期は年4回と言われます。春が最も激しい行動をします。雌猫は発情すると落ち着かなくなり、歩き回り、後足で地面を蹴って、ころげまわって啼きます。その雌猫を慕って雄猫が集り、独特の鳴き声で騒ぎ、雄同士で闘ったりします。年に4回も出産すれば地球上が猫で埋まってしまいますが、そうはなりません。
この句は、見たままそのままですね。情景が浮んできます。
同じ作者に次の句があります。
老残の恋猫として啼けるかな  敦
猫はいくつになっても同じ行動を本能的にしなくてはなりません。哀れですね。
作者あずみ・あつしの紹介は、2005年2月28日を参照。
(出典:角川春樹編「合本現代俳句歳時記」、2004年刊)
・今日は横浜で句会。寒い。

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2012年02月17日

白梅や仏を入るる経の声

飴山 實(1926~2000)

白梅が春の季語。梅、野梅、盆梅、臥龍梅、春告草、枝垂梅なども同意の季語です。
今年は梅の開花が遅れています。近くの梅林の梅は蕾のままでじっと寒さに耐えています。健気と言うかかわいそうになりますね。
いつもであれば、春の先頭を切って葉が開く前に五辨の花を咲かせます。バラ科の落葉高木。中国原産。万葉時代には梅は桜より人々に愛されてきました。万葉集で梅を詠んだ歌は112首、桜は36首。櫻の華やかさに比べて梅の雅な気品が愛されたのでしょうね。名所としては、水戸の偕楽園、熱海の梅園、和歌山南部梅林がよく知られています。
この句は、経を読む声に仏を入れるという表現が白梅にはふさわしく聞こえます。
作者あめやま・みのるの紹介は、2007年6月27日を参照。
(出典:村上 護著「きょうの一句」新潮文庫、2005年刊)
・前から休眠口座の存在が取りざたされていました。塵も積もれば山となるのことわざどおりです。第三者機関を作って保管し、使用してもらったら如何でしょうか。

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2012年02月16日

綿雪やしづかに時間舞ひはじむ

森 澄雄(1919~2010)

綿雪が春の季語。淡雪、牡丹雪、かたびら雪、だんびら雪なども同意の季語です。
私の住んでいる横須賀の西側では、もう何度も初雪かなという場面に立ち会いましたが、本格的に雪にはならずに済んでいます。
綿雪や淡雪は、降ったかと思うと、はかなく消えて行く春の雪のおもむきが季語になりました。雪は場所を選んで降りません。あらゆるところに降ります。次から次へと融けて行く淡雪を眺めて時間の過ぎるのを忘れます。
この句のポイントは「時間」ですね。時間が静かに舞っているという上手い表現にしびれました。
作者もり・すみおの紹介は、2005年2月22日を参照。
(出典:角川春樹編「合本現代俳句歳時記」、2004年刊)
・北海道では地吹雪。その様子は経験したものでなければわかりません。ものすごいの一言。じっと耐えるしかありません。

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2012年02月08日:如月や若き女の針供養
2012年01月28日:母懐ふ老の感傷初不動
2012年01月04日:社運かけ二十数名初詣
2011年12月26日:葉牡丹の紫沈み白潤み
2011年10月31日:高潮や大正六年十三尺
2011年10月08日:柚一木山椒一木尼一人
2011年09月28日:秋蝶の己無力に農一途
2011年08月02日:片蔭へ沈む祭の笛の音
2011年07月01日:榊にて下天を祓ふ山開
2011年04月07日:軽々と又重々と桜咲く
2011年03月13日:百千鳥柩の汝を運ぶ上
2011年02月20日:鶯に終日遠し畑の人
2011年01月01日:日本がここに集る初詣
2010年12月20日:庭裏や木守の柿の冬夕
2010年12月09日:枯芝に円陣若く爆笑す
2010年12月05日:葉牡丹の紫沈み白潤む
2010年10月27日:烏瓜映る水あり藪の中
2010年10月21日:秋深し石に還りし石仏
2010年10月11日:柳散清水涸石処処
2010年08月19日:鶏頭は百姓の花肉厚く
2010年07月25日:大阪や埃の中の油照
2010年03月29日:銀冠の軸の青さよ翁草
2010年01月01日:寅の年迎ふ一病息災に
2009年12月18日:梟や机の下も風棲める
2009年10月08日:更待の月荒涼と岬の果
2009年08月30日:露草の露千万の瞳かな
2009年08月25日:鶏頭は百姓の花肉厚く
2009年08月20日:川風に甚だ背高泡立草